1.異る形を同じ形にしたもの(計181字)
1-1.草冠に關するもの(全62字)
四畫草冠(艹)を三畫草冠(艹)にしたもの(37字)
![[例]](ku.png)
- 苦若芋芝英荷茶草葉茂菓菊菌蒸薪薦葬蓄藻藩落苗描猫芳幕募墓慕暮漠膜模塔搭諾匿
- JISでは表外字についてもすべて略草冠となってゐる。
丱冠(艹)→三畫草冠(艹)(8字)
![[例]](yume.png)
- 夢繭獲穫護敬警驚
- 他に分類した「舊」や「觀」などもこれに當る。
- 同じく、JISで丱冠が使はれる氣配はない。
「廿」→三畫草冠(艹)(5字)
![[例]](kanji.png)
- 漢勤謹嘆難(漢勤謹嘆難)
- パソコン略字に「歎僅灘」があるが、JISX0213:2004で訂正されてゐる。
- 參考:「艱難辛苦(カンナンシンク)」「饑饉(キキン)」「參覲交代(サンキンカウタイ)」「慇懃(インギン)」「諸葛瑾(ショカツキン;人名)」
「茲」關聯(3字)
![[例]](ji.png)
- 慈滋磁
- 「慈」と「滋」に含まれる「茲」は、艸冠ではなく、「十+幺」を二つ竝べた形。
- 「磁」の旁の部分は、玄を二つ竝べた形。
- パソコン略字には「孳」がある。ちなみにこれは「慈」と同じ系列。
同樣に、四畫の部分を三畫に略したもの(5字)
![[例]](hana.png)
- 華 噴墳憤 奔
- 人名用漢字に「樺」がある。
同樣に、六畫を四畫に略したもの(4字)
![[例]](ken.png)
- 研(硏) 併瓶塀(倂甁塀)
- パソコン略字に「妍笄并屏迸餅駢胼絣(姸筓幷屛逬餠騈腁×)」がある。内、「餠」はJISX0208にあり、「逬」はJISX0212にあり、「姸幷屛」はJISX0213:2004にあり、「筓騈腁」はUnicodeにある。
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1-2.「月」に關するもの(全25字)
常用漢字では
(左から月、肉月、舟月)の三つの字形が肉月に統一された。しかし、この混同は古くは篆文以前からあった樣で、「閒」などは金文では肉月で、篆文では月になってゐたり、「朝」は甲骨文では月だったが、金文・篆文では舟月になってゐたりする。
舟月→肉月(6字)
- 朝潮前服崩棚
- 人名用漢字に「朋鵬」がある。
- パソコン略字に「嘲煎箭揃廟堋硼箙弸擶滕籐縢繃」があり、「嘲煎箭揃廟」はJISX0213:2004で訂正されたが、「堋硼箙弸擶滕籐縢繃」は訂正されてゐない。
- 他に、「勝藤」や「兪」なども舟月である。
月→肉月(7字)
- 月有明盟期塑望
- 人名用漢字では、「萌朔」がある。
- パソコン上では、總て肉月になってゐる樣だ。
円→月(6字)
- 青清晴精情請(靑淸晴精××)
- 人名用漢字に「靖(靖)」がある。
- パソコン略字では、「鯖錆」があるが、JISX0213:2004で訂正された。
- 青の下の部分は「丹」と同源の井戸の形で、月とは無關係。(ちなみに、今の常用漢字の「円」は「圓」の略字なので、「円」とも無關係。)
- 參考:「猜疑心(サイギシン)」「蜻蛉(とんぼ)」
以下は、「月」が別の字に變へられたもの。
「月」→「日」(2字)
![[例]](ahida.png)
- 間簡(閒×)
- パソコン略字に「澗」がある。
- 參考:「熱燗(あつカン)」「癇癪(カンシャク)」
肉月を爪頭にしたもの(4字)
- 将奨(將奬)
- パソコン略字に「蒋醤(蔣醬)」がある。
- 「埒」はもともとこの形で、「將」とは無關係。
- 「奬」の本字は「獎」で、犬に從ふ字。
- 參考:「腦漿(ナウシャウ)」「醬油(シャウユ)」
- 揺謡(搖謠)
- 人名用漢字に「瑶遥(瑤遙)」がある。
- 參考:「劉繇(リウエウ;人名)」
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1-3.「西」に似た形(全4字)
![[例]](you.png)
「栗票」などはもとからこの形。
- 要腰覆
- 他に、「覇」や「遷」などもこれにあたる。
- パソコン上では草冠と同じく區別がないのかと思ひきや、「覃覈覊」のみは正字體となってゐるので、「潭簟蕈鐔僊韆」などはパソコン略字と言ってよいだらう。
- 煙
- パソコン略字に「堙湮甄」があるが、JISX0213:2004でも訂正されてゐない。
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1-4.いろいろを「ツ」型に略(全17字)
爪頭の向きもこれに當るか。
「火」二つを「ツ」(4字)
- 栄営蛍労(榮營螢勞)
- パソコン略字に「鴬(鶯、うぐひす)」がある。
「口」二つを「ツ」(6字)
常用漢字では「讓」などの場合は「譲」と「ハ」型に略し、「觀」などの場合は「観」と略してゐる。
- 単戦禅弾獣(單戰禪彈獸)
- パソコン略字に「蝉騨箪褝(蟬驒簞襌)」がある。
- 參考:「憚(はばかる)」「邯鄲(カンタン)の夢」「飛驒高山」「簞笥(タンス)」「蟬時雨(せみしぐれ)」
- 厳(嚴)
- 人名用漢字に「巌(巖)」がある。
- 參考:「儼然(ゲンゼン)」
その他、「ツ」にしたもの(7字)
- 学覚(學覺)
- パソコン略字に「撹(攪)」がある。
- 參考:「昌平黌(シャウヘイクヮウ)」「攪乱[亂](カクラン)」
- 脳悩(腦惱)
- 「腦」の右側は、幼兒の頭に毛の生えてゐる形といふ。「凶」とは無關係。
- 參考:「瑪瑙(メナウ)」
- 巣(巢)
- 常用漢字表内の「災」などはそのまま。
- 參考:「勦討(サウタウ;=掃討)」
- 桜(櫻)
- パソコン略字に「珱(瓔)」がある。
- 參考:「嬰兒(エイジ)」「鸚鵡(アウム)」
- 猟(獵)
- パソコン略字に「蝋(蠟)」「鼡(鼠)」がある。
- 參考:「鬣(たてがみ)」「蠟燭(ラフソク)」
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1-5.いろいろをチョンチョンに略(全20字)
「樂→楽」(2字)
- 楽薬(樂藥)
- パソコン略字に「檪(櫟)」がある。
- 參考:「瓦礫(グヮレキ)」「轢殺(レキサツ)」
三つ重ねをチョンチョンに略(3字)
- 塁渋摂(壘澁攝)
- パソコン略字に「疂軣(疊轟)」がある。
「壯→壮」など(5字)
- 壮状荘装寝(壯狀莊裝寢)
- 別に擧げた「将(將)」の左側などもこれに當る。
- 參考:「玄奘(ゲンジャウ;人名)」「牆(かき)」
「襄」を含む字(4字)
- 壌嬢譲醸(壤孃讓釀)
- 人名用漢字に「穣(穰)」がある。
- パソコン略字に「嚢(囊)」がある。
- 參考:「新島襄(にひじまジャウ;人名)」「攘夷(ジャウイ)」
「虚」の下の部分の樣な形のもの(6字)
人名用漢字に「晋(晉)」がある。
- 虚(虛)
- パソコン略字に「嘘(噓)」がある。
- 參考:「廢墟(ハイキョ)」「歔欷(キョキ)」
- 戯(戲)
- 左側は「虚」ではない。
- 顕湿(顯濕)
- 繊(纖)
- 參考:「懺悔[悔](ザンゲ)」「殲滅(センメツ)」「籤(くじ)」
- 霊(靈)
- 「靈」は、「巫女(みこ)さん」の「巫」を含む字。
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1-6.その他(全53字)
「壬」關聯(6字)
![[例]](hijiri.png)
- 聖呈程廷庭艇
- 「壬(ジン)」と「王」と「壬の下が長いもの(テイ)」の違ひ。ここに擧げたものは、本來總て三番目の形。ちなみに、「任」は音からも分る樣に「壬(ジン)」系列。
- 「壬(ジン)」と「壬の下の棒が長いもの(テイ)」はよく混同されてゐる。
- パソコン略字に「逞」がある。
いろいろを「己」に統一(12字)
![[例]](onore.png)
「危」や「犯」などは常用漢字表内の文字だがそのまま。
「妃杞紀記配」などは元々「己」。
- 巻圏(卷圈)
- パソコン略字に「倦捲」があるが、JISX0213:2004で訂正された。
- 參考:「蜷川(にながは;人姓)」
- 遷
- パソコン上では「僊韆」他、正字ではない字形が使はれてゐる。
- 起
- 港
- パソコン略字に「巷」があるが、JISX0213:2004で訂正された。
- 選
- 人名用漢字に「巽」がある。
- パソコン略字に「撰」があるが、JISX0213:2004で訂正さrた。
- 包泡胞砲抱飽
- パソコン略字に「鞄庖」があるが、JISX0213:2004で訂正された。
- 參考:「雹(ヒョウ)」「咆哮(ハウカウ)」「鮑(あはび)」「張苞(チャウハウ;人名)」
何か→「米」(8字)
- 継断(繼斷)
- 歯齢(齒齡)
- パソコン略字に「噛(嚙)」がある。
- 參考:「嚙(かむ)」「齧・囓(かじる)」「齟齬(ソゴ)」
- 数楼(數樓)
- パソコン略字に「屡薮(屢藪)」がある。
- 參考:「髑髏(ドクロ)」「縷々(ルル)」「藪さん」「屢々(しばしば)」
- 粛(肅)
- パソコン略字に「繍(繡)」がある。
- 參考:「嘯(うそぶく)」「蕭何(セウカ;人名)」「刺繡(シシウ)」
- 奥(奧)
- パソコン略字に「襖」があるが、JISX0213:2004で訂正された。
- 參考:「懊惱(アウナウ)」「墺太利(オーストリア)」「澳門(マカオ)」
いろいろを「メ」(6字)
- 気(氣)
- 「氣志團」の「氣」。
- いろいろを「米」に略したかと思へば、「米」を更に「メ」に略す。
- 參考:「敵愾心(テキガイシン)」
- 区欧殴枢駆(區歐毆樞驅)
- パソコン略字に「鴎躯(鷗軀)」がある。
- 參考:「嘔吐(オウト)」「謳歌(オウカ)」「体[體]軀(タイク)」「森鷗外(モリオウガイ)」
似た形→「林」(6字)
![[例]](asa.png)
- 麻摩磨魔
- 人名用漢字に「麿」がある。
- 參考:「靡(なびく)」「糜竺(ビジク;人名)」
- 歴暦(歷曆)
- 參考:「披瀝(ヒレキ)」、「青天の霹靂(ヘキレキ)」
何か→「夫」二つ(2字)
「替」「輦」などはもとからこの形。
- 賛(贊)
- パソコン略字に「讃攅鑚纉(讚攢鑽纘)」がある。
- 潜(潛)
- パソコン略字に「譛(譖)」がある。
- 參考:「僭越(センエツ)」「簪(かんざし)」
その他(13字)
- 縄(繩)
- 人名用漢字に「亀(龜)」がある。
- パソコン略字に「蝿竃穐(蠅竈龝)」がある。
- 參考:「蠅(はへ)」「鬮(くじ)」「鼈甲(ベツカフ)」
- 称(稱)
- 人名用漢字に「弥(彌)」がある。
- パソコン略字に「迩祢(邇禰)」がある。
- 參考:「玉璽(ギョクジ)」「瀰漫(ビマン)」「和邇(ワニ;地名)」
- 売(賣) 価(價) 宝(寶) 実(實)
- これらは「貝」を含む字。古くは貝が貴重なものとして取引などで使はれたので、さういふ意味を含むものが多い。
- 続読(續讀)
- パソコン略字に「涜(瀆)」がある。
- 「賣」と「讀」の右側とは微妙に違ひ、別字。
- 參考:「贖罪(ショクザイ)」「天罰覿面(テンバツテキメン)」「冒瀆(ボウトク)」
- 弁(辯辨瓣)
- 「弁」と「辯」と「辨」と「瓣」はそれぞれ別の字。
- 參考:「辮髮(ベンパツ)」
- 聴庁(聽廳)
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2.違ふパーツに置換へられたもの(計154字)
2-1.元々同じ形を別の形にしたもの(全62字)
「蜀」→「虫」など(4字)
- 触独(觸獨) 属嘱(屬囑)
- 「濁」は常用漢字表内にあるが、字形はそのまま。
- 參考:「濁音(ダクオン)」「髑髏(ドクロ)」、「蠟燭(ラフソク)」、「矚望(ショクバウ)」
「攵(攴)」→「力」「又」(4字)
- 効勅収叙(效敕收敍)
- 「敍」の「攴」は「攵」の古い形。「元寇」や「推敲」にも含まれる。
「人」二つ→何か(7字)
他に擧げた、「卒」や「僉」の字も見た目は「人」二つが竝んだ形。
- 来(來)
- パソコン略字に「莱(萊)」がある。
- 參考:「荻生徂徠(おぎふソライ)」「蓬萊(ホウライ)」
- 峡挟狭(峽挾狹)
- パソコン略字に、「頬侠(頰俠)」がある。
- 參考:「頰(ほほ)」「仁俠(ニンケフ)」「鋏(はさみ)」「藥莢(ヤクケフ)」
- 従縦(從縱)
- 參考:「聳(そびえる)」「慫慂(ショウヨウ)」
- 麦(麥)
- パソコン略字に、「麺麹麸(麵麴麩)」がある。
- 「麥」は「來」と「夊」を組合せた形。
「臼」→何か(7字)
- 陥児稲(陷兒稻)
- パソコン略字に「焔(焰)」がある。
- 參考:「睨(にらむ)」「舅(しうと)」「嫂(あによめ)」「餡(アン)」「韜晦(タウクヮイ)」
- 捜挿(搜插)
- パソコン略字に「痩(瘦)」がある。
- JISX0213:2004では「瘦」が新たに追加され、「叟艘」の字形が訂正された(「臼」の下の棒は離れるのが正)が、「搜嫂諛」の三字については訂正されてゐない。(「溲」は以前から正字になってゐる。)
- 写(寫)
- 參考:「新潟(にひがた)」
- 旧(舊)
- 「舊」は、艸冠(艹)ではなく、丱冠(艹)が正。
「專」關聯(6字)
- 専(專)
- 伝転(傳轉)
- 「云」は「ウン」といふ音がある字で、「紜耘」などがある。例:「耕耘機(カウウンキ)」「雲(ウン)」「云々(ウンヌン)」
- 參考:「囀(さへづる)」
- 団(團)
- 「氣志團」の團。
- 恵穂(惠穗)
黃→何か(5字)
![[例]](kiiro.png)
- 黄横(黃橫)
- 広拡鉱(廣擴鑛)
- パソコン略字に「昿砿(曠礦)」がある。
- 「黄」の音は「クヮウ」。
- 「宏紘肱」などはまた別系統。
「爪頭」→何か(5字)
- 争浄静(爭淨靜)
- パソコン略字に「筝(箏)」がある。また、「瀞」もあるが、JISX0213:2004で訂正された。
- 為偽(爲僞)
「黒(黑)」→何か(2字)
- 点(點) 党(黨)
「與」→何か(3字)
- 与(與)
- 參考:「興奮(コウフン)」「御輿(みこし)」
- 挙(擧) 誉(譽)
- パソコン略字に「﨔(欅)」がある。
- 「擧」と「譽」は「與」を含む字。
- 參考:「欅(けやき)」「襷(たすき)」「島嶼(タウショ)」
「登」→何か(2字)
- 灯(燈) 証(證)
- 「澄」は常用漢字表にあるが、正字のまま。
- 參考:「橙(だいだい)」
「虎」→何か(3字)
- 逓(遞) 号(號) 処(處)
- パソコン略字に「乕(虎)」がある。
「聿」關聯(3字)
- 画(畫) 昼(晝) 尽(盡)
- パソコン略字に「侭(儘)」がある。
- 參考:「企劃(キカク)」「灰燼(クヮイジン)」「我が儘(わがまま)」
示偏(11字)
もと、「示」と「ネ」は明朝體と筆記體の違ひ。
- 福神祥禍祈祉視社祝祖(福神祥禍祈祉視社祝祖)
- 人名用漢字に「祐禎(祐禎)」がある。
- パソコン略字に「榊祁祇禰」があるが、JISX0213:2004で訂正された。
- 「示」の字は、祭卓の象形。「祭禮」や「宗教」に關する文字が多い。
- 秘(祕)
- 「禾」と「示」は古くから屢々混同されてゐた樣だ。
- 「凜」と「凛」、「穎」と「頴」の場合は、「禾」の方が正字。
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2-2.別の形に置換へられたもの(全34字)
「釋」→「釈」(5字)
「呎(フィート)」は元々「尺」を含む字。ちなみに、「睾」は似てゐるが無關係。
- 釈択沢駅訳(釋擇澤驛譯)
- パソコン略字に「鈬(鐸)」がある。
- 參考:「演繹(エンエキ)」「木鐸(ボクタク)」
「變」→「変」(4字)
「奕跡迹」などは元々「亦」。(音は「エキ」「セキ」)
- 変蛮恋湾(變蠻戀灣)
- パソコン略字に「弯(彎)」がある。
- 參考:「痙攣(ケイレン)」「一家團欒(ダンラン)」「親鸞(シンラン)」「彎曲(ワンキョク)」
「會→会」(2字)
- 会絵(會繪)
- パソコン略字に「桧(檜)」がある。
- 參考:「老獪(ラウクヮイ)」「人口に膾炙(クヮイシャ)する」「檜山(ひやま)さん」
「亂→乱」(2字)
「舌」にはもともと、「舌(ゼツ;したの象形)」と「舌(カツ;元の形は「氏+口」)」の二系統がある。
- 乱辞(亂辭)
「假→仮」(1字)
「暇」は常用漢字表内の文字だが、これは正字體のまま。
「暇瑕葭蝦遐鍜霞假」などの音はすべて「カ」。
「反叛坂阪板版販飯」などの音はすべて「ハン」。
「假」の一字だけが「仮」に變へられた。
- 仮(假)
「弗→厶」(2字)
「沸」は常用漢字表内の文字だが、これは正字體のまま。
「佛拂沸彿」などの音はすべて「フツ」だが、「佛拂」の二文字だけが「仏払」に變へられた。
ちなみに、「私弘畆」などは元から「厶」を含む字。
- 仏払(佛拂)
- 參考:「沸騰(フツトウ)」、「彷彿(ハウフツ;髣髴とも書く)」
「莖→茎」(4字)
「怪(クヮイ)」はもとからこの字。
- 茎径経軽(莖徑經輕)
- パソコン略字に「頚(頸)」がある。
- 參考:「頸(くび)」「脛(すね)」「痙攣(ケイレン)」
拔→抜(2字)
「友」とは無關係。
- 抜髪(拔髮)
- 參考:「祓(はらふ)」「旱魃(カンバツ)」「跋扈(バツコ)」
亙→亘(1字)
「亘」と「亙」はもともと別字。「垣」や「宣」は「亘」を含む字。
- 恒(恆)
- 人名用漢字に「亘(亙)」がある。
盧→戸(1字)
- 炉(爐)
- パソコン略字に「枦舮芦(櫨艫蘆)」がある。
「龍」→「竜」(2字)
「龍」の一畫目は横にするのが正。
常用漢字表内に「襲」があるが、これは「竜」には變へられてゐない。
- 竜滝(龍瀧)
- パソコン略字に「篭槞(籠櫳)」がある。
- 參考:「壟斷(ロウダン)」「聾啞(ロウア)」「朧月(おぼろづき)」「寵愛(チョウアイ)」
「或」→「玉」(1字)
- 国(國)
- パソコン略字に「掴椢(摑槶)」がある。
- 參考:「摑(つかむ)」「巾幗(キンカク)」
「頼」(2字)
- 頼瀬(賴瀨)
- 右側の元の形は「負」と同じ。
- 參考:「天籟(テンライ)」「癩病(ライビャウ)」「獺(かはうそ)」「懶惰(ランダ)」
「豐」と「豊」(3字)
「豊(レイ)」と「豐(ホウ)」は別字。「豊」系統には「禮體醴鱧」などがある。
- 豊(豐) 礼(禮) 体(體)
- 人名用漢字に「艶(艷)」がある。
「乘」→「乗」(2字)
「垂」とは無關係。
- 乗剰(乘剩)
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2-3.新たなパーツを生み出したもの(全58字)
「勸」→「勧」系(4字)
- 勧歓観権(勸歡觀權)
- パソコン略字に「潅(灌)」がある。
- 「罐鑵鸛驩」などはいづれも「クヮン」の音を持つ。
- 參考:「灌漑(クヮンガイ)」
「亞」→「亜」(2字)
- 亜悪(亞惡)
- パソコン略字に、「壷唖(壺啞)」がある。
- 參考:「鐚一文(びたイチモン)」
「齊」→「斉」(4字)
- 斉済剤(齊濟濟) 斎(齋)
- パソコン略字に「緕(纃)」がある。
- 參考:「臍(へそ、ほぞ)」、「齎(もたらす)」、「光風霽月(クヮウフウセイゲツ)」
「堯」→「尭」(2字)
- 暁焼(曉燒)
- 人名用漢字に「尭(堯)」がある。
- 參考:「蟯虫(ゲウチュウ)」「僥倖(ゲウカウ)」「圍繞(ヰゼウ)」「饒舌(ゼウゼツ」
「卒」→「卆」(4字)
「卒」を「卆」と書くのは、古くからある略字の形の樣だが、常用漢字では何故か「卒」は正字のまま。
「枠(わく)」はもともとこの字で、「椊」は別字。
- 砕粋酔雑(碎粹醉雜)
- 人名用漢字に「翠」があるが、上の部分だけ常用漢字風で、下は略されてゐない。
- JISでは他に「卆伜忰翆(卒倅悴翠)」がある。
「儉」→「倹」(5字)
- 倹剣険検験(儉劍險檢驗)
- パソコン略字に「鹸剱(鹼劔)」がある。
- 參考:「收斂(シウレン)」「瞼(まぶた)」
「曷」→「ヒ」(5字)
- 謁喝渇褐掲(謁喝渴褐揭)
- パソコン略字に「葛」があるが、JISX0213:2004で訂正された。
- 參考:「偈(ゲ)」「靄(もや)」
「眞」→「真」(3字)
- 真慎鎮(眞愼鎭)
- 人名用漢字に「槙(槇)」がある。
- パソコン略字に「填顛鷏(塡顚鷆)」がある。
- 參考:「瞋(ジン)」「癲癇(テンカン)」「山巓(サンテン)」
「參」→「参」(2字)
- 参惨(參慘)
- パソコン略字に「鰺(鯵)」がある。
- 參考:「鰺(あぢ)」「滲(にじむ)」
「淺」→「浅」(5字)
- 浅桟残践銭(淺棧殘踐錢)
- パソコン略字に「賎(賤)」がある。
- 參考:「賤(いやしい)」「付箋(フセン)」「餞別(センベツ)」
「發」→「発」(2字)
- 発廃(發廢)
- パソコン略字に「溌醗(潑醱)」がある。
- 參考:「反撥(ハンパツ)」「撥音便(ハツオンビン)」
「壽」→「寿」(2字)
- 寿鋳(壽鑄)
- パソコン略字に「祷涛梼陦畴(禱濤檮隯疇)」がある。
- 參考:「範疇(ハンチウ)」「躊躇(チウチョ)」
「奚」→「爪+夫」(2字)
- 鶏渓(鷄溪)
「既」關聯(7字)
左側は「白+匕」が正。繋げてゐるものもあるが、それも一種の略字だらう。
- 既慨概(既慨槪) 即節(卽節) 郷響(鄕響)
- パソコン略字に「厩櫛卿饗」があるが、JISX0213:2004で訂正された。
- 「既」の右側は四畫の形が正。
- 「旣」はUnicode2.1で既にあったが、「既」がJISX0213で更に追加され、Unicode3.2に收められた。
「册」→「冊」(1字)
「柵」「刪」「珊」など、パーツとして含まれる場合は、「冊」でよい。ただし、「跚」のみ例外で、「足+册」が正字らしいが、JISX0213:2004でも訂正されてゐない。
- 冊(册)
「萬」→「万」(2字)
「栃」は國字で、もとからこの字。
- 万励(萬勵)
- パソコン略字に「砺蠣(礪蛎)」がある。
- 參考:「瘴癘(シャウレイ)」「邁進(マイシン)」「西部邁(にしべすすむ;人名)」
「兩」→「両」(2字)
- 両満(兩滿)
- パソコン略字に「輌(輛)」がある。
- 參考:「技倆(ギリャウ)」「魑魅魍魎(チミマウリャウ)」「忿懣(フンマン)」
「帶」→「帯」(2字)
- 帯滞(帶滯)
- 參考:「蔕(へた)」
「詹」→「旦」(2字)
「但坦妲疸靼」などは元から「旦」。
- 担胆(擔膽)
- 參考:「暗澹(アンタン)」
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3.部分を略したもの(計148字)
3-1.一點・一畫を省略したもの(全92字)
文字は、その一点一画にみな要素としての意味があり、みだりにその長短を削り、点画を省略することを許さないものがある。
之繞(シンネウ)の點(37字)
右側のは筆寫體の字形だが、寧ろ二點之繞に近い。この問題については、しんにょうの点に詳しい。
- 道遺運遠過還逆近迎遇遣込遮巡進迅逝遭速退逮達逐追通迭途透導逃迫避返縫迷遊連
- 人名用漢字では、「迪蓮遼」がある。
- パソコン略字では、「逢迂迦逗遁謎蓬遡迄遜腿這辿鑓樋槌鎚逼辻漣」があるが、總てJISX0213:2004で訂正された。
者の點(8字)
![[例]](mono.png)
- 者煮暑署著都緒諸(者煮暑署著都緖諸)
- 人名用漢字に「猪渚曙(猪渚×)」がある。(曙は横綱になった際に點を附けたが、横綱の曙はJISには無い。)
- パソコン略字に「箸堵薯藷屠賭儲瀦」があるが、JISX0213:2004で總て訂正された。
- 參考:「奢(おごる)」「華奢(キャシャ)」「躊躇(チウチョ)」、「阿闍世(アジャセ;人名)」
犬の點(6字)
![[例]](kusai.png)
今の日本の漢字では、「嗅ぐ」には點があって、「臭い」には點がない。犬を大にしてしまっては、のび太が自分の名前を「のび犬」と書いたのが笑ひ話で無くなる。
- 臭器突戻涙類(臭器突戾淚類)
- パソコン略字では、「捩綟唳莽蟒」があるが、JISX0213:2004でも訂正されてゐない。
郎の點(3字)
![[例]](rou.png)
- 郎朗廊(郞朗廊)
- 「浪狼」などと音が共通してゐることからも分かる樣に、「良」に從ふ字。
- 「朗」は、月であり、肉月ではない。
- パソコン略字では、「榔」があるが、JISX0213:2004で訂正された。
「歩」關聯(6字)
- 歩渉頻(步涉頻)
- パソコン略字に「捗瀕」があるが、JISX0213:2004で訂正された。
- 「歩」は左足と右足の足跡の象形で、「少」とは無關係。
- 參考:「顰蹙(ヒンシュク)」「歩騭(ホシツ;人名)」
- 歳(歲)
- 「歳」は、「歩」と「戉」を組み合せた形。
- 參考:「穢(けがれ)」
- 賓(賓) 浜(濱)
- パソコン略字に「梹(檳)」もある。
- 「浜」は本來ここに分類すべきものではないが、「別嬪(ベツピン)さん」、「檳榔(ビンラウ)」、「鬢(ビン)」(何れも音は「ヒン」。「賓客(ヒンキャク)」「海濱公園(カイヒンコウヱン)」など竝べてみれば、その系統は明かなので、ここに分類した。
- 「画[畫]鋲(グヮびゃう)」の「鋲」は「兵(ヒャウ)」を音符とする。ただし國字なので「びゃう」は訓讀み。
その他の點(6字)
![[例]](ten.png)
- 逸(逸)
- 免ではなくて兔(うさぎ)に從ふ字。
- 寛(寬)
- 艸冠ではなくて丱冠が正。
- 殺(殺)
- 左邊は獸の形で、木とは無關係。點は獸の耳の形だといふ。
- 塚(塚)
- 人名用漢字に「琢啄(琢×)」がある。
- 騒(騷)
- 「蚤(のみ)」に從ふ字。
- パソコン略字に「掻(搔)」がある。
- 盗(盜)
- にすいではなくてさんずい。
- 參考:「羨望(センバウ)」
「一」を略したもの(6字)
![[例]](ichi.png)
- 徴懲(徵懲)
- パソコン略字では、「徽」があるが、JISX0213:2004で訂正された。
- 參考:「黴(かび)」
- 殻穀(殼穀) 徳(德) 隆(隆)
點二つを線に略したもの(20字)
![[例]](mai.png)
- 毎侮悔海梅敏繁(每侮悔海梅敏繁)
- パソコン略字に「晦」があるが、JISX0213:2004で訂正された。
- 「母」と「毋」は別字。
- 參考:「誨(をしへる)」
- 僧増贈憎層(僧增贈憎層)
- 人名用漢字に「曽(曾)」がある。
- パソコン略字に「噌甑」があるが、JISX0213:2004で訂正された。
- 黒(黑) 墨(墨) 黙(默)
- 人名用漢字に「黛(×)」がある。
- 他に分類した「点(點)」や「党(黨)」も黒を含む形。
- 勲薫(勳薰)
- 參考:「燻製(クンセイ)」
- 練錬欄(練鍊欄)
- 人名用漢字に「蘭(×)」がある。
- パソコン略字に「煉」があるが、JISX0213:2004で訂正された。また、「諌(諫)」もある。
- 「東(トウ)」と「柬(カン)」は別字。
- 參考:「春爛漫(はるランマン)」
3-2.部分を省略したもの(全26字)
「工」を省略したもの(5字)
![[例]](in.png)
- 隠穏(隱穩)
- 随髄堕(隨髓墮)
- 「隋」と「陏」は別字。
- 參考:「怠惰(タイダ)」
「壞」→「壊」系(3字)
![[例]](kohareru.png)
- 壊懐(壞懷)
- 遅(遲)
- 「遲」は「犀(サイ)」を含む字。「尸+羊」といふ字はそもそも存在しない。
- 參考「幼穉(エウチ;=幼稚)」
その他の省略(18字)
- 蔵臓(藏臟)
- 參考:「臧霸(ザウハ;人名)」
- 撃(擊)
- パソコン略字に「繋(繫)」がある。
- 弐(貳)
- 參考:「膩(あぶら)」
- 圧(壓)
- 參考:「魘(うなされる)」「靨(ゑくぼ)」
- 医(醫)
- 參考:「陰翳(インエイ)」
- 応(應)
- 參考:「慶應義塾」「鷹(たか;呉音は「オウ」)」「軈(やがて)」
- 缶(罐)
- 「罐」の音符は「雚(クヮン)」。「觀賞」「勸誘」「歡喜」「灌漑」「罐詰」と竝べてみれば、その系統は明か。
- 芸(藝)
- 參考:「文藝春秋」「囈語(うはごと)」
- 県(縣)
- 常用漢字表内に「懸賞」の「懸(ケン)」があるが、これはそのまま。
- 条(條)
- 參考:「篠塚さん」「洗滌(センデウ)」
- 声(聲)
- 參考:「井上馨(いのうへかをる;人名)」
- 予(豫) 余(餘)
- 「予」と「余」はもともと「われ(一人稱の代名詞)」といふ意味がある字で、それぞれ「豫」と「餘」とは別字。
- 覧(覽)
- 「監+見」。
- 糸(絲) 虫(蟲) 畳(疊)
- 「糸(ベキ)」と「絲(シ)」はもともと別字。「絲」を「糸」と書くことは、「林」を「木」と書き、「朋」を「月」と書く樣なもの。
- 「虫(キ)」と「蟲(チュウ)」は別字。「蟲」を「虫」と書くことは、「森」を「木」と(以下略)。
- 「疊」は「畾(ライ)」と「宜」を組み合せた形。本字は「曡」。
3-3.個別の略字(全30字)
- 様(樣)
- 右側は「羊(ヤウ+永」。
- 參考:「漾水(ヤウスイ;地名)」
- 没(沒)
- 參考:「戦[戰]歿者[者](センボツシャ)」
- 褒(襃)
- 「保」とは無關係。
- 拝(拜)
- 「拜」の左側は手偏の元の形。「拜」の場合だけ、傳統的にこの字形が使はれてゐる。
- 覇(霸)
- 「霸」の右下は肉月ではなくて月。
- 闘(鬪)
- 「門」と「鬥」は別字。
- 「鬪」の本字は「鬭」。
- 參考:「鬨の声[聲](ときのこゑ)」「鬮(くじ)」
- 対(對)
- 「對」は人の名字で屢々見かける。
- 総(總)
- 人名用漢字に「聡(聰)」がある。
- 「窓」はこのままでよい。(「窓」の本字は「窗」)
- 拠(據)
- 參考:「急遽(キフキョ)」
- 犠(犧)
- 「義」と「羲」は別字。
- 參考:「伏羲(フクキ;人名)」
- 関(關)
- 參考:「聯合(レンガフ)」
- 壱(壹)
- 參考:「司馬懿(シバイ;人名)」、「噎(むせぶ)」
- 並(竝)
- 「普」はそのままでよい。
- 当(當)
- パソコン略字に「档(檔)」がある。
- 參考:「蟷螂(タウラウ;かまきり)」
- 台(臺)
- 「台」と「臺」は別字。
- パソコン略字に「抬(擡)」がある。
- 「始怠笞苔殆治胎飴颱」などは元から「台」。
- 双(雙)
- 參考:「復讐」
- 図(圖)
- 參考:「邊鄙(ヘンピ)」
- 欠(缺)
- 「欠(ケン)」と「缺(ケツ)」は別字。
- 參考:「欠缺(ケンケツ)」「欠伸(ケンシン・あくび)」「決定(ケツテイ)」「祕訣(ヒケツ)」
- 辺(邊) 鉄(鐵) 痴(癡) 窃(竊) 献(獻) 帰(歸)
衛(衞) 囲(圍) 蚕(蠶) 岳(嶽) 塩(鹽) 円(圓)
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4.點畫に關するもの(計315字)
4-1.長短を削ったもの(全70字)
文字は、その一点一画にみな要素としての意味があり、みだりにその長短を削り、点画を省略することを許さないものがある。
「害」關聯(19字)
![[例]](gai.png)
- 害割轄憲
- 「丰(ボウ)」と「丯(カイ)」を區別すれば、「豁」の四畫目も右から左へ拂ふのが正。
- 契喫潔
- 參考:「楔(くさび)形文字」「禊(みそぎ)」
- 告(吿) 造酷
- 人名用漢字に「浩皓」がある。
- パソコン略字に「鵠」があるが、JISX0213:2004で訂正された。
- 參考:「慥(たしか)」「桎梏(シツコク)」
- 舎(舍) 捨 舗(舖)
- 「舍」の上の部分は、「余」と同じ形。
- 參考:「白洋舍」「古舘伊知郎(人名)」
- 唐糖 周週彫調
- 人名用漢字に「鯛」がある。
- パソコン略字に「塘凋」があるが、JISX0213:2004でも訂正されてゐない。
- 參考:「人口稠密(チウミツ)」
「急」關聯(12字)
![[例]](kyuu.png)
- 急侵浸尋雪掃婦 虐 及吸扱級
- 「急」は「及」+「心」。
- 「及」は、「又」を含む字。
- 人名用漢字には、「慧」がある。「彗」もあるが、こちらは正字のままとなってゐる。
- パソコン略字では、「汲鱈笈」がある。「汲笈」はJISX0213:2004で訂正されたが、「鱈」は訂正されてゐない。
「亡」を含む字(8字)
![[例]](nakunaru.png)
- 亡忙忘妄盲網荒慌
- 例として擧げた字の右側のものは本字で、
手足を折り曲げている死者の骨の形
で、「曷」に含まれるものと同じ形。
- パソコン略字には、「芒」があるが、JISX0213:2004で訂正された。ただし、他の「瀛虻贏羸鋩」など「亡」を含む文字も、フォントによって表示がまちまちである。
「冉」を含む字(4字)
![[例]](mizo.png)
- 溝構講購
- パソコン略字には「篝冉冓媾搆苒覯遘髯」があるが(他で擧げた「稱」もある)、JISX0213:2004では「篝」のみ訂正された。
「化」を含む字(4字)
![[例]](ka.png)
- 化花貨靴
- JISには「糀訛囮」などがあるが、表示はフォントによってまちまちである樣だ。
「用」型の下の部分を削って「田」にしたもの(6字)
![[例]](haku.png)
- 博薄縛敷簿 勇
- 「博」の右側は、「甫+寸」。
- 「勇」は、「甬+力」であり、「男」とは無關係。
- 人名用漢字には、「湧」がある。
- 參考:「脈搏(ミャクハク)」「山内溥(やまうちひろし;人名)」
その他、長短に關するもの(17字)
![[例]](sakebu.png)
- 叫糾
- 人名用漢字に「赳」がある。
- 「叫」の右の部分は、「収(收)」の左側と同じ形。
- 巨拒距
- 「巨」は、物差しの形。人名用漢字に「矩」があり、JISには「渠炬苣鉅秬」があるが、フォントによって表示はまちまちの樣だ。
- 幾機
- 「幾」は、「人」の上の部分が交はるかどうか。
- 人名用漢字に「磯」があり、JISには「譏饑」がある。
- 冒帽
- 具
- パソコン略字に「倶(俱)」がある。(正字はJISX0213:2004で追加された)
- 微
- 鼻
- 參考:「嬶(かかあ)」「鼾(いびき)」
- 衰
- 寧
- 参考:「叮嚀(=丁寧)」「檸檬(レモン)」「泥濘(ぬかるみ)」「獰猛(ダウマウ)」
- 虜(虜)
- 灰炭
- 「灰」は左上が交はるのが正字。
- パソコン略字に「恢」があるが、JISX0213:2004で訂正された。
- 他に長短に關するものとして、人名用漢字で「那」があり(正字は横棒が右に突出る形)、パソコン略字に「娜梛」がある。
4-2.點畫の向きに關するもの(全112字)
「爪頭」の向き(10字)
![[例]](da.png)
- 妥彩採菜乳浮援緩暖爵
- 人名用漢字に「采媛」がある。
- パソコン略字に「淫」があるが、JISX0213:2004で訂正された。
- 「爵」は、左下の部分も若干違ふ。
- 例外として、「受愛舜」などの爪頭の部分は今の形と同じ。
「羽」關聯(11字)
![[例]](hane.png)
- 羽(羽)習翌翼翻扇翁 曜濯躍 弱
- 人名用漢字に「翠翔燿耀」がある。
- パソコン略字に「煽翰謬翫摺擢溺鰯」があるが、JISX0213:2004で訂正された。
「兌」を含む字(6字)
![[例]](setu.png)
- 説悦税鋭脱閲(說悅稅銳脫閱)
「兼」を含む字(4字)
![[例]](kaneru.png)
「禾」を二つ束ねた形だが、「兼」のみはハの字型にするのが傳統的。
- 兼嫌謙廉
- 人名用漢字には「鎌」がある。
- パソコン略字には「簾」があるが、JISX0213:2004で訂正された。
「肖」を含む字(6字)
例:![[例]](shou.png)
- 肖鎖削宵消硝
- 「小」を音符として含む文字。
- 人名用漢字に「梢」がある。
- パソコン略字に「屑哨鞘蛸」があるが、JISX0213:2004で訂正された。
その他、「ハの字」の向きに關するもの(25字)
![[例]](hachi.png)
- 益(益)
- パソコン略字に「溢」があるが、JISX0213:2004で訂正された。
- 咲送朕
- 尊猶遵
- パソコン略字に「酋楢鱒噂樽猷鄭」があるが、JISX0213:2004で訂正された。
- 隊墜遂
- 半伴判畔
- パソコン略字に「叛」があるが、JISX0213:2004で訂正された。
- 平坪評
- パソコン略字に「秤」があるが、JISX0213:2004で訂正された。
- 幣弊
- パソコン略字に「蔽瞥廠」があり、「蔽瞥」はJISX0213:2004で訂正されたが、「廠」は訂正されてゐない。
- 率
- 尚(尙)
- 「尚」は「向」と「八」を組合せた形。「賞常」などに含まれてゐるが、この場合は正字でも今と同じ形。
- 券勝謄騰
- 人名用漢字に「拳藤」がある。
「戸」を含む形(11字)
![[例]](to.png)
- 戸(戶)啓肩雇顧所扉偏遍編房
- 「戸」は、
片開きの扉の形
(両開きの形は「門」)。
- 人名用漢字に「肇」がある。
- パソコン略字に「芦扁篇騙粐褊諞蝙翩綮扈滬」があり、JISX0213:2004では「芦扁篇騙」のみ訂正され、「粐褊諞蝙翩綮扈滬」は訂正されてゐない。(「鑪艫櫨」の略字「鈩舮枦」も、か)
點の向きに關するもの(18字)
![[例]](shu.png)
- 主往住注柱駐
- パソコン略字に「註」があるが、JISX0213:2004で訂正された。
- 凡帆
- 少し違ふが、パソコン略字に「蔑」があるが、JISX0213:2004で訂正された。
- 恐築
- 勺酌釣的約
- パソコン略字に「杓灼豹芍妁葯」がある。「杓灼豹」はJISX0213:2004で訂正されたが、「芍妁葯」は訂正されてゐない。
- 刃忍認
- パソコン略字に「綛荵籾靭」がある。「籾」はJISX0213:2004で訂正されたが、「綛荵靭」は訂正されてゐない。
二水(冫)關聯(7字)
![[例]](fuyu.png)
二水は氷の形。「冷」「凍」などの字と竝べてみれば、系列がはっきりする。
- 冬終寒
- 元が二水の文字。
- 人名用漢字に「柊」がある。
- パソコン略字に「疼鮗螽」があり、「疼」はJISX0213:2004で訂正されたが、「鮗螽」は訂正されてゐない。
- 次姿資諮
- 元は數字の「二」。
- 「均」は擧げてゐないが、「冫」ではなくて「二」の樣にする。
- パソコン略字に「茨」があるが、JISX0213:2004で訂正された。
畫の向きに關するもの(14字)
![[例]](tagayasu.png)
- 耕籍耗邦
- 添
- パソコン略字に「呑(吞)」がある。(「吞」はJISX0213:2004で追加された)
- 内納肉丙病柄
- これらは「人」ではなくて「入」とする。
- 全栓
- これも「人」ではなくて「入」。
- パソコン略字に「詮」があるが、JISX0213:2004で訂正された。
- 賊
- 「賊」の中の「十」の字の横棒は、『常用字解』では斜め上へ拂ふ形となってゐる。
4-3.横棒を縱棒にしたもの(全38字)
これらを區別するのは白川正字の特徴で、「龍」の一畫目なども橫にするのが正しい。パソコン上のフォントでは、表外のものについても「包攝」されてしまってゐるものが多い樣だ。
「辛」に從ふ字(25字)
![[例]](oto.png)
- 音暗韻 意億憶 識織職 境鏡 章彰障 童鐘 商 嫡摘滴適敵 帝締 襲
- 人名用漢字に「瞳憧」がある。
- パソコン上では、前述の樣に、總て「包攝」されてゐる。
- これらの字形は、「立」ではなくて、總て「辛」を含む形。
- ただし、「辛避新親競接」なども「辛」を含む字だが、正字體でも縱棒のまま。
「亥」を含む字(4字)
![[例]](kizamu.png)
- 刻劾該核
- 人名用漢字に「亥」がある。
「食」關聯(9字)
![[例]](taberu.png)
- 食養
- パソコン略字に「餐喰」があるが、JISX0213:2004で訂正された。
- 飲館飼飯飾餓飢(飮館飼飯×××)
- パソコン略字に「飴餌蝕餅」があるが、JISX0213:2004で訂正された。(「餅」については別に「餠」が既にある)
4-4.畫數を一畫増やしたもの(全25字)
「ヰ」の形を含むもの(8字)
![[例]](erai.png)
- 偉違緯降舞瞬隣傑
- 「ヰ」の左下のL字型の部分を二畫で書くのが常用漢字で、一畫で書くのが正字。
- 人名用漢字に「舜麟」がある。
- JISでは他に「韋葦諱韓韜桀桝磔燐鱗憐簪蠶旡舛曁漑蕣鄰」などがあるが、フォントによって表示はまちまちである。
「牙」を含むもの(3字)
![[例]](miyabi.png)
- 雅邪芽
- 人名用漢字に「冴」がある。
- パソコン略字に「牙穿訝鴉谺」があり、「牙穿訝鴉」はJISX0213:2004で訂正されたが、「谺」は訂正されてゐない。
「卑」や「免」を含むもの(4字)
![[例]](iyasi.png)
- 卑(卑)碑(碑) 勉(勉)晩(晚)
- パソコン略字に「稗牌兎娩挽」があるが、JISX0213:2004で訂正された。
「育」關聯(4字)
![[例]](iku.png)
- 育棄流硫
- 「育」の上の部分は、「子」をさかさまにした形。常用漢字では「なべぶた+ム」で四畫、正字では「一+ム」で三畫。
- 人名用漢字に「琉」がある。
- JISでは總て「包攝」されてゐる。
その他、畫數を増やしたもの(6字)
![[例]](sei.png)
- 政卸御 孤弧 肺
- 正字の場合、「政」は左下のL字型を一畫で書き、「瓜」の中は「ム」であり、「肺」の縱棒は一畫で書く。
- これらもすべて「包攝」。
4-5.その他(全70字)
「兪」の字(4字)
![[例]](yu.png)
- 愉諭輸癒
- パソコン略字に「愈」があるが、JISX0213:2004で訂正された。
- 參考:「比喩」「偸盜(チュウタウ)」、「周瑜(シウユ;人名)」
「顏」→「顔」(2字)
- 顔産(顏產)
- 人名用漢字に「彦(彥)」がある。
- パソコン略字に「諺薩」があるが、JISX0213:2004で訂正された。
綠→緑(3字)
- 緑縁録(綠緣錄)
- 人名用漢字に「禄(祿)」がある。
- パソコン略字に「剥(剝)」がある。(JISX0213:2004で追加された)
「成」(4字)
![[例]](naru.png)
- 成誠盛城
- 畫數が一畫減らされた。
- 人名用漢字に「晟」があり、パソコン略字に「筬」がある。(今のMS明朝では「晟」は正字。)
「吳」→「呉」(4字)
![[例]](go.png)
- 呉娯誤虞(吳娛××)
「空」(2字)
例:![[例]](sora.png)
- 空控
- 「穴」を含む字。「究」などと同系だが、「空」の場合のみ、この樣に書かれるのが傳統的らしい。
- 「倥啌椌箜腔」もパソコン略字か。
その他(5字)
![[例]](atatakai.png)
- 温(溫)
- パソコン略字に「鰛(鰮)」がある。
- 隔
- 「隔」は、「融」や「獻」などと同じく、「鬲」を含む字であるが、「隔」のみ、この樣に篆文に近い形で書かれるのが傳統的な樣だ。
- 姫(姬)
- 人名用漢字に「熙(煕)」がある。
- 教(敎) 届(屆)
ハネ(10字)
![[例]](kiken.png)
- 危絶負免(×絕×免)
- パソコン略字に「冤」があるが、JISX0213:2004で訂正された。
- 「隙」については、JISX0213:2004でハネのないものに變更された。
- 環 派 脈 旅
- 參考:「膂力」
- 述 術
- 「述」と「術」は「朮」を含む字。
「筆押へ」に關するもの(36字)
- 八穴公松訟船沿鉛頒貧分粉紛雰盆
- 父交校較絞更便硬
- 文蚊紋
- 又丈支史吏使
- 延建健誕
- 「筆押へ」については、『常用字解』では「旧字体」として分類されてゐるが、『常用漢字表』では、デザイン差とされてゐる。
- 人名用漢字に「頌斐」がある。
- JISX0213:2004では、「廻挺鍵腱筵釜斧爺鮫咬狡梗鞭甦杖叉駁虔靱」が筆押へがないものに變更された。筆押へを總て取り去る方針らしい。
↑目次へ
あとがき
正字は、今の常用漢字よりは體系的に整ってゐるとは言ふものの、若干整理されてゐない部分もあります。例へば、「爪頭の向き」や、「負」「色」「絶(絕)」「兔」「頼(賴)」などに共通してゐる部分や、「辛」に從ふ字の一畫目の向きなど、本來同じものが違ふ形になってゐたり、本來違ふものが同じ形になってゐたりします。
しかし、これらは傳統的にさうなってゐたからといふことなので、それはそれで尊重されるべきことですが、もし學問的に正しい字形はこちらといふことが定まれば、將來的にはどちらかに統一することがよりよいと思ひます。
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